私の違和感は変じゃない
「お疲れ様」という挨拶なのか何なのかわからないことばが妙に耳障りです。ここ数年ますますこの感じが強くなります。私だけなのかなと思っていたら、私と同年代の女性の方から、私と同じような感じがするというお話を伺ってちょっと安心しました。その女性のお話はこうです。知り合いの教師が、保護者に対して「ご苦労様でした」と言ったところ、その保護者からクレームをつけられたというのです。「ご苦労様」は目上から目下に言う言葉だから、使うなら「お疲れ様」だと。でも、それは変でしょと、その女性。「ご苦労様」も「お疲れ様」も同じように相手をねぎらう言葉として違いはなくて、私にはむしろ「ご苦労様」の方が自然に聞こえると。私も同感です。「ご苦労様」はだめで「お疲れ様」がよいということの根拠はどこにあるのでしょうか? 単にビジネスマナーのセミナーかなにかで習ったことを鵜呑みしているだけなのではないでしょうか。みんなが言っているからという同調圧力に飲み込まれているだけなのではないでしょうか。でも、私たちの世代にとっては「ご苦労様」は自然なねぎらいの挨拶でしたし、目上も目下もなかったのです。共に仕事をした者同士の大切なねぎらいのことばだったのです。これは経験的な事実です。最近若い人たちが、時も場所も状況も関係なくいかにも軽く「お疲れ様」を連発するのには違和感があって、時には不快ですらあります。「出勤したばかりなのに、朝から疲れてないよ!」とか・・・。仕事が終わって帰り際に、「ご苦労様」とか「お疲れ様」とか声をかけるのなら、目上も目下もなく納得できるのです。ことばは、人の気持ちを大切にすることと一緒に大切に使ってほしいものです。