内耳の有毛細胞が再生する!
今日は、HCC研究会(Hearing Clinic Conference)例会で勉強しました。
テーマは二つ。
①動物の聴覚(三上敦史氏:リオン)
②軽度・中等度難聴に対する補聴器助成の現状
(西村将人先生:にしむら耳鼻咽喉科クリニック)
①
〇昆虫が高い周波数を捉えることができるのはなぜか
・高い周波数を使って獲物を捕まえるコウモリに対応するた
め。
・体が小さく聴覚器の間隔を広くとれないので、高い周波数の
音でないと音源定位が難しい。
・コオロギやスズムシなどの鳴き声が高い周波数であるのもそ
れと呼応する。
※適者生存の結果として今があるということでしょうか。
生物進化の不思議を感じます。
〇イルカの聴覚器は骨格の中ではなく、脂肪層の中に浮いたよ
うに備わっている。
・音は「水の振動」→「下顎の脂肪層の振動」→「内耳」と伝
わっていく。
※軟骨や脂肪層の伝導効率は思いのほか高いという、軟骨伝導
補聴器のお話を連想しました。
〇哺乳類以外の生物では、有毛細胞の再生ができる!
※この話題が一番印象的でした。再生の仕組みや哺乳類との違
いを研究して、再生医療に生かせれば素晴らしいと思いまし
た。
②
〇30~70デシベルの軽度・中等度難聴に対する補聴器助成がよ
うやく一般的になってきた。
〇大阪府は昭和50年、全国に先駆けて軽度・中等度難聴に対す
る補聴器助成の制度を作ったが、その後見直されることがな
かったために立ち後れた状態になっていた。このたび、関係
者の努力で他地域なみの助成制度に改められた。
〇聴力レベルの数値ではなく、補聴器の必要性に関する医師の
判断を基準としている自治体もある(京都市)。
〇都道府県や市町村などの自治体ごとに助成の基準を作るので
はなく、国が基準を作った方がよいのでは。
※一側性難聴の場合の助成はどうなっているのか気になりまし
た。