モリーズ・ゲーム
映画を観ました。
『モリーズ・ゲーム』
全米モーグルの五輪候補のトップアスリートから高額ポーカークラブの経営者への転身と転落、そして逆転?を描いた実在の女性の物語です。
原作はモリー・ブルームの2014年に出版された自叙伝。監督、脚本はアーロン・ソーキン。
モリーを演ずるジェシカ・チャステインの怒濤のよう長台詞と、時間をめまぐるしく前後する展開がある種の快感です。そのエンターテインメントとしての面白さと、自分がいかに苦しくても他人を貶めてはいけないという、モリーの一途な生き方に共鳴する弁護士チャーリー(イドリス・エルバ)の、自分自身の「生き方の判断」が面白いと思いました。
弁護士チャーリーは古巣の同僚である検察官に対して、いくら巨悪(ロシア・マフィア)を追い詰めるという大義はあっても、そのために真っ直ぐに生きている人を犠牲にするのは間違っていると熱く訴えます。
この映画は、父娘関係も重要なテーマになっています。それは、モリーの父親(ケビン・コスナー)の、「クソ親父はいい仕事をした」すなわち、娘モリー(トップアスリートであり、若くして自力で巨額を稼いだ実業家)を育てたという台詞や、弁護士チャーリーが弁護を引き受けるきっかけが、モリーの自伝を読んだ彼の娘エルサの願いであったこと。この二組の父娘にはどこか共通点があります。この映画のような父親が本当にいいのかどうかは分かりませんが、自分は父親としていい仕事はできていないなあと反省してしまいます。
最後まで司法取引には応じないモリーの言葉、「私には名前しか残っていないんだから。」が心に残りました。